狭小住宅コラム

ラウムハウスが取り組んでいる「狭小住宅」について、様々な角度から解説していきたいと思います。これから「狭小住宅」を建てるお客様にとってお役に立てる情報が発信できたらと思います。

②狭小住宅を依頼する先の分類について

 
狭小住宅を建てることが決まったとすると、次にはどんなところに依頼すれば良いかということになります。
 
一般的に住宅の建築(購入)を依頼する相手先には4種類あります。

① 大手ハウスメーカー
② 地場ビルダー
③ 工務店
④ 設計事務所
⑤ 建売会社

それぞれの 大まかな特徴は以下のような感じです

 

① ハウスメーカー

TVCMなどで認知度が高く、全国展開している規模の大きな会社です。
 
・規模が大きく安心感がある
・総合展示場にモデルハウスがあり、営業マンもたくさんいる
・耐震性などの性能面は一定レベルのものがある
・「大量生産」「効率化」の家づくりなので、個々のニーズには対応しづらい
・社員の人件費やモデルハウス維持費、広告宣伝費などにより、コストは割高
 
知名度や安心感を優先したい方で、あまりこだわりがなく予算も余裕のある方にとっては適した依頼先だと思います。
 

② 地場ビルダー

全国規模ではないけど、地域限定で展開している比較的規模の大きな住宅会社です。ハウスメーカーに近いスタンスの会社が多いようです。
 
・TVCM等もやっているので地元では認知度があり安心感がある
・モデルハウスも持ち、営業マンもいる
・性能面は大手ほどは高くない会社が多い
・大手と同様に「大量生産」「効率化」がベースなので対応力は低い会社が多い
・経費も掛かっているのでコストパフォーマンスは良くない会社が多い。仕様や性能の分だけ大手よりは安い会社が多い。
 
大手ハウスメーカーに近い家づくりのスタイルで、大手より少しコストは安い、というような会社が多いようです。こだわりは少なくて普通の住宅で問題ないけれど、コストは建築費をもう少し落としたい方は相性が良いかもしれません。
 
 

③ 工務店

地域に存在する、社員が数名~20名未満の比較的に規模の小さな会社が多いです。
 
・社数が多いので、会社によって特徴は様々
・会社によっては、性能面が不安な会社もある
・フットワークが良く対応力の高い会社が多い
・規模が小さいことで経費が少なくコストパフォーマンスは高い
 
何といっても色々な特徴を様々な工務店が存在するので、その中で自分たちに合った会社を見つけることが重要です。一般的な普通の家ではなく、なにかこだわりを持って家づくりを考えたい方にとって、自分たちに合った会社が見つかるのであれば、良い選択だと思います。
 

④ 設計事務所

建物の「設計」と「監理」のみを担当する依頼先です。「建築家」と呼ばれる個人で経営しているパターンも多いようです。あくまでも「施工」は別の工務店が担うことになります。
 
・デザイン力は高い
・施工は工務店なので、そこの信頼性も重要
・性能面については重要視していない設計士も多いので要注意
・設計料に分だけ割高(一般的には建築費の10%前後が多い)
・設計のみが先行するので、最終的に予算オーバーになるケースも多い。
・設計士のこだわりが強すぎると、建て主と相性が合わないケースもある
 
デザイン性が高いことが最大の特徴です。デザインを最優先する方で、設計料も分も予算をご用意できる方にとっては検討すべき依頼先だと思います。ただ、コストを把握しないで打ち合わせを進めてしまう設計も多いので、予算オーバーにならないように注意が必要です。
 

⑤ 建売会社

「土地」と「建物」をセットで販売する会社で不動産色が強い会社がほとんどです。建て替えの方には無関係ですが、土地をお持ちでない方にとっては検討する時期もあるでしょう。
②の地場ビルダーが土地から分譲して建売として販売するケースも多いです。
 
・土地から購入する方にとっては手間が少ない
・建てた家を確認して購入できるのでイメージなどの勘違いがない
・自分たちのこだわりには対応できない
・見えなくなる部分がどこまでの品質なのか不透明
・「耐震性」「断熱性」などをしっかりと確認する必要がある
 
注文住宅ではないので、個々のこだわりは実現できないのは仕方ありません。建物自体にあまり優先順位を持たない方にとっては気にならないかもしれませんが、それでも建物の品質はしっかりと見極める必要があると思います。
 
この大きく分けて5種類の依頼先の特徴を簡単に分類してみましたが、これらの特徴は、「狭小住宅」というカテゴリーから考えていくと、更に色濃く見えてきます。
 
ほとんどの「狭小住宅」では敷地の条件が厳しいので、大手ハウスメーカーのような個々の対応力に劣る会社では、どうしても良い提案が期待できなくなります。
施工についても、狭小地に慣れていないので、設計上の建物配置などがギリギリまで対応できないといった声も良く聞きます。何より、コストが非常に高くなってしまうことが、大手ハウスメーカーや地場ビルダーが「狭小住宅」を不得意としている理由のようです。
 
その点、規模の小さな工務店は対応力が大きな長所なので、本来は「狭小住宅」には相性が良いはずと思います。しかし、これも経験値による裏付けの少ない、「狭小住宅に慣れていない会社」だと、大手と同様に良い提案が出てこないことも多いようです。なにより、「狭小住宅」は設計的にも施工的にも考えなければいけないことが多すぎるので、「面倒くさい」と感じて、積極的に取り組んでいない工務店がほとんどかもしれません。
 
設計事務所は、設計力という点で優れている部分があるので、狭小住宅には比較的相性が良いと思います。ただ、これも前述したような点を注意することは、狭小住宅と言えども変わりません。それがクリアすれば、選択肢としては悪くないと思います。
 
建売住宅については、それでよいという方にとってみれば狭小住宅も一般住宅も同様です。
 
これらの特徴を踏まえたうえで。最終的にどんな会社を選ぶかは皆さんの価値観で決まると思います。
 
ラウムハウス(株)住和では、「工務店」の長所を最大に発揮して、且つ、「SE構法」を軸とした技術力にもこだわりながら、「設計事務所」に負けないような敷地の活用提案を追求して、この名古屋で「狭小住宅」に取り組んできました。
今となれば、その経験値が最大の自信となっており、多くのお客様の満足いただいている源泉になっていると思っています。これからもそんな皆さんの期待に応えるべく、提案力や技術力に精進していきたいと考えています。
 

コラム一覧