狭小住宅コラム
ラウムハウスが取り組んでいる「狭小住宅」について、様々な角度から解説していきたいと思います。これから「狭小住宅」を建てるお客様にとってお役に立てる情報が発信できたらと思います。
① 狭小住宅のメリット・デメリットと注意すべきポイント
近年、土地価格の上昇等に伴い、愛知県内、特に名古屋市内で「狭小住宅」が注目されています。
「狭小住宅」というのは、その名の通り敷地が狭い「狭小地」に建てる住宅のことです。一般的には利便性の良い都市部に多く、敷地は狭いけれど通勤や生活に便利なエリアで快適に暮らすことを求める方々にとって、この「狭小住宅」が注目されているようです。
一言で「狭小住宅」と言っても、その定義は人によって様々です。
「○○坪以下の土地を『狭小地』と呼ぶ」というような土地面積の基準もありませんし、建物の床面積にも基準はありません。
ただ、ラウムハウスにお問い合わせいただくお客様では、概ね20坪以下の敷地に建てるケースを「狭小住宅」と感じている方が多いように思います。
また、「狭小住宅」のイメージには、敷地面積によるものだけでなく、敷地形状によって認識されることもあります。
例えば、面積は30坪以上あるのだけれど、間口が4m以下で奥行きが長い「ウナギの寝床」と呼ばれるような形状の敷地などは、これも「狭小住宅」と呼んでも良いだろうと思います。また、敷地面積が広くても土地形状が「旗竿」と呼ばれるような形状で、面積の割合の多くを通路部分が占め、実際に建てられる敷地は奥の20坪のみ、というようなケースも「狭小住宅」となるのだと思います。
いずれにしても、この「狭小住宅」には「メリット」も「デメリット」もあります。
「メリット」を最大に生かして、「デメリット」をどれだけクリアできるか、が「狭小住宅」を成功させる大事なポイントになります。
その「狭小住宅」の最大のメリットは、「土地購入に関する費用を抑えられる」ということです。新しく土地購入から家づくりを検討されている方はもちろんですが、建て替えの方も、その場所で満足できる家が建てられるなら他に土地を購入する必要がないので、結果として建物費用のみで済みます。
当たり前ですが、土地の面積が少ないなので、坪単価が同じエリアであれば面積が広い土地よりも土地購入金額は少なく済みます。また、土地購入予算が同じであれば、より利便性のよいエリアに土地を購入することができます。
しかしながら、一方では当然、デメリットもあります。
代表的なデメリットを上げると以下のようなことがあります。
「敷地が狭いので、希望する空間の家を建てられない可能性がある」
「住宅が密集しているエリアが多いので、法的な制限や厳しい規制をクリアしなければいけない」
「前面道路が狭くて工事車両が入れない敷地の場合などは、施工にかかる費用が余計にかかる可能性がある」
「隣地の状況によっては、採光や通風がとりづらいことがある」
「周辺に建物が密集していると、隣地や道路からの視線が気になる」等々…。
敷地の状況によってそれぞれ深刻度は異なりますが、このようなケースは度々起こります。
しかし、これらの「デメリットと感じる部分」も、「設計のノウハウや施工技術や建築の性能によって解決できる可能性がある」ことも是非認識しておいてほしいと思います。
つまり、その「デメリット」を解消する技術やノウハウを、その建築会社が持っているか否かで、「デメリット」が「デメリット」でなくなる可能性も大いにあるということです。
また、狭小住宅の施工経験が豊富であれば、ギリギリの配置で施工も可能でしょうし、そこでかかる施工費についても必要最小限の金額で施工できることも多いと思います。
逆に、狭小住宅に慣れていない会社だと、隣地と建物の間隔をギリギリではなく、できるだけ離して設計するでしょうし、工事についても安全を見て余裕を持った施工費で積算してしまうのはいたしかたないことかもしれません。
そしてなにより、設計を考える際に、いかに様々な厳しい制約条件をクリアして最適な間取を考えることが重要になります。当然、通常の敷地での設計では必要ない作業が多く発生します。
そこをどれだけしっかり考えて設計するかで、快適な間取りの狭小住宅が実現するかが決まることになります。
そこに暮らす家族構成や暮らしのイメージを実現するために、限られた敷地条件の中で、明るく、広々として、使いやすい間取りをプランニングしていくことは、やはり設計提案力に大きく関わる部分なのです。
これらを考えていくと、最大の「狭小住宅のデメリット」は、「依頼する建築会社によって建てられる家が大きく変わる」という点かもしれません。
つまり、狭小住宅を建てる際には、どんな建築会社が良いのかという会社選びをしっかりと行っていくことが大事になるのだと思います。
当社は、「狭小住宅専門」の工務店として、長年この「狭小住宅」に取り組んできました。
その中で培った経験やノウハウや技術が、お客様に最大に生かしたご提案ができることを常に意識しています。その提案がお客様に喜んでいただけたらこんなにうれしいことはありません。